まじ恋
第一章 何もない幸せの中で僕はみんなと違う人なのかもしれない
いつもと同じ朝

いつも変わらないシチュエーション

なんで僕は僕なのだろう


特に悩んでいたわけでは無かった。ふと、不意に僕の頭に浮かぶ疑問符なだけ。


世の中にはこんなにたくさんの人がいるのに、朝目覚めたとき、なんでまた僕は『僕』なのだろうかと、いつも不思議に感じていた。


自分の家が裕福ではない家庭なのかも知れないと気づいたのは小学生の頃だった。


あれは…何の授業だったのかさえもまったく覚えていないけど


ファミリーレストランの話題が出た時に、僕にはまったく『その』経験が無い事を知り、クラスの中で『その』経験が無いのが僕だけなのが、ただただ不思議にしか感じなかった。

普通だったら恥ずかしいとか思うのかな?くやしかったりするのかな?


僕は、ただただ、その僕のシチュエーションってやつが、(あー、そういう事なのか)と再確認でもするかのような意識でしか無かった。


この頃の僕は今思うととても冷めた少年だった。いや、この頃から冷めた人間だったという方が正しいのかも知れない。



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