嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?
「まあ、俺も理恵子さんの孫って知って強引にキスしようとしたし、不破を悩ませたのなら悪かったな。そうやってぐちゃぐちゃ悩むのもたまにはいいんじゃねーかな」
「新さん」
「兄貴に何か言われて動揺してるんだろ? 兄貴が本気なら、俺もちょっと焦ってみようかなって来ただけ。決めるのはお前だ、不破」
「ふぁぅっ」
「何だそれ、お前泣いてるのか?」
ガキ臭く泣いてしまったので大人しく声を殺したのに、新さんには面白かったのかもしれない。
仕事に置いても、目上の人としても、才能も、全てどちらも尊敬している。
敬愛とは違う感情が、心の中で急激に養分を貰って膨れ上がって来たのを自分でも感じている。
「何に泣いてるんだ、不破」
その言葉に、鼻水まで垂れてしまいタオルで拭くと、一気にタオルを引っ張られ奪われた。
「不安なら、言葉に出せ、こら」
強引で、怖い癖に――安心できるなんてズルイ。ズル過ぎる。
「わか、分からなくて、わ、たし」
「別に今すぐ考えろって言ってないぞ。俺はまだ決定的な言葉をお前に言って困らせたくないと我慢してる」
「新さんは優しいです。厳しいけれど、五臓六腑、骨にまで浸透するような身になることを教えてくれます。だから、一緒に居て、楽しい。一緒に居て暖かいです。たまに怖いけど」