嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?


でも、こんなリップやハンカチで気づいてくれるような人たちだからこそ、仕事は尊敬できるって思える。契約社員の分際で色々とおこがましいことを考えるのは止めておこう。

考えてはいけないと思う。


結局二人は、海外帰りとオール明けにも関わらず、書斎で祖母の作品について熱く語ったあと、家まで送ってくれた。
スポーツカーに乗り込む二人からは、何回も欠伸がみられたから歩いて帰るって言ったのにも関わらず。

二人の家は、高級住宅街の高台にあった。振り返ると、大きな庭があり、バルコニーが素敵な白い家だった。

駅から10分もない場所なのに、私が住んでいる場所とは空気さえ違って見えた。

「じゃあ、月曜日に」
「逃げんなよ。迎えに行くぞ」

容赦ない言葉と笑顔のプレッシャーに、へらりと笑って誤魔化して見送った。
部屋に戻った私は、いつもの部屋なのに、二人の家を見た後だからかウサギ小屋み見えてしまい、現実に引き戻されそのままベットにダイブした。


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