晴れ、のち晴れ

あたしと同い年ぐらいの女の子が、リビングに入ってくる。

一目で、葵の妹だと分かった。兄に似て綺麗な顔立ちだ。

妹はあたしをちらりと見たが、すぐに視線を葵へと戻す。

「芳一(よしかず)は?」

「美都瑠(みつる)を迎えに行ってる」

「…そう」

二人にしか分からない話をしばらくした後、再び、妹はあたしを見た。

「ところでそちらの方は?」


あたしは思わず姿勢を正して正座した。

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