晴れ、のち晴れ

呆然としながら、あたしは葵を見た。

「お前の妹、強いな…」

「…今日はちょと機嫌が悪いんだよ、芳一がいないから」

「よしかず?」

「俺の従兄。んで、夢香(ゆめか)…妹は、どうやら芳一が好きらしい」

「ああー、なるほど。兄としては複雑、と」

「それより、機嫌が悪いと俺にあたるのをどうにかして欲しい」

「愛されてるね、お兄ちゃん」

「やめろ」

あははははは、とあたしは声高く笑った。

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