晴れ、のち晴れ

夢香を待っていた高級車に乗せられたあたしは、自分の部屋より広い…というのは流石に言い過ぎだが…車にただ呆然とした。

「ごめんなさいね」

「え」

「あの方たちが、わざと梨羽さんにぶつかって来たからつい言ってしまったのだけれど。私のせいで、梨羽さんの立場が悪くなったりしたら申し訳ないわ」

あたしの立場など、もはや落ちるとこまで落ちて、悪くなることなどないだろう。

それよりも。


「あ、ありがと…ちょっと嬉しかった」

あんな風に表立ってかばって貰ったことなんていつ以来だろうか。純粋に嬉しかったけれど、良かったと穏やかに笑う夢香は、ただものじゃないなと思った。

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