晴れ、のち晴れ
「お前まだあんなことしてるのか?」
葵が真面目な顔をしている。なんだか面白い。
「お前じゃなくて梨羽」
「いいから答えろよ」
あたしは舌を出す。真面目でつまらない奴だ。
「してるよ、悪い?だってお金ないし。金持ちなお前には分からないだろけど?」
そう言うと葵が黙り込んだ。
勝ったと私はにまりと笑う。
「分かった。じゃあ、金に困ったら俺の家に来ればいい」
「はいぃ?」
思いがけない葵の提案に、あたしは声をあげた。