晴れ、のち晴れ
あたしは、いわゆる孤児だ。
親戚の中を皿回しにされ、と言ったら葵がたらいまわしだろとつっこみをいれた。
今は自分とどういう関係なのかよく分からない男と暮らしている。
生活費には困っていないが、小遣いを貰えるような立場じゃない。
お腹が空いたら、そこら辺にいる奴に声を掛けて奢ってもらうことにしていた。
まあ、かなり、危ない時もあるけど。
葵ともそんな風にして知り合った。
あたしのことを、まじで心配してくれてるのは、こいつだけかもしれない。