生贄投票
「ねぇタマ子」


「ん?」


「真犯人を探せって言われてるけど、あてはあるの?」


駅のホームで電車を待ちながら、美奈都が修太に聞く。


「あてかぁ……と、言われても、今のところは全然……」


「だよね」


何でこんなことが始まったのかなんて、サッパリ分からないのだから、あてなんてあるはずがない。


「とりあえず家に着いてから考えよう」


「そうだね」


「あてもクソも、二階堂の幽霊が犯人なんだから、二階堂の家に行くしかないじゃん」


「え?」
「えっ?」


突然後ろから声がしたので、二人は驚いて振り返った。
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