生贄投票
もちろんそこにいる全員が、その様子を見つめている。


「ウソだろ……」


晃司が目を見開いてモニターを見つめた。


「え?」


伊藤もそのボーっとした影の正体に気が付いた。


その影がハッキリと、恨めし気な顔の二階堂ありさに代わる。


「うわぁあああああああああ」


伊藤がそのまま後ろに下がるより早く、モニターから突き出てきたありさの手が、伊藤の口を押えた。


次の瞬間、伊藤の口から煙のようなものが出てきて、そのままありさの手が、モニターの中にその煙を引きづりこんでいく。


すべての煙がモニターの中に引きづりこまれると、伊藤はそのまま床に崩れ落ちた。
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