生贄投票
翌朝。怜はベッドの上で目を覚ました。


身体を起こして大きく伸びをする。


一晩経ったことで、昨夜のことが現実ではなく、夢じゃないのかと思えた。


怜はベッドから降りると、パジャマのままで自分の部屋を出て、階段を上がって奥にある姉の部屋のドアを開ける。


そこにある五つの死体と異臭を嗅いで、やはり夢ではなく現実なのだと思った。


こうなってしまった以上、もう引き返すことは出来ない。


母が姉の部屋に入ることはまずないから、母は大丈夫だけど、12月29日には父と姉が正月休みで帰省してくるから、それまでに死体を処分しなければバレてしまう。

とは言え、小柄な上に車の免許も持っていない怜が、五人もの男の死体を処分出来るはずがない。


成すべきことをして、すみやかに警察に自首しよう。怜はそう思った。
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