愛の音〜ainone〜
愛の音〜ainone〜
焼けつくような暑さが続く
夏の午後。


締め切った部屋。
静かな空間の中…
聞こえるのは
エアコンの風に揺られて
優しく鳴り響く風鈴の音だけ。


6畳の小さな部屋。
ベッドを背もたれにして
三角座りしながら
静かに涙を流す。


涙の音を消すように、
わたしを慰めるみたいに…
鳴り続ける雑なデザインの風鈴。


チリンチリン。
優しく囁かれているようで…
楽しい記憶が蘇ってしまいそうで…

風鈴を外しに立ち上がった。
悲しみの中思い出してしまう。
この風鈴と昨日まで隣にいた
君との思い出を。

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