Focus

「ミオがこっちに来ませんでしたか」


問い掛けると、少し首を傾げてみせたけれど、それだけでも人目をひく華やかさがある。


「たしか厨房にいたはずだよ」


そのまま行きかけた背中に、質問がかぶさる。


「相模くんは、三島さんのことどう考えているの」


振り返って目を合わせると、いい大人が困った顔をしてこちらを見ていた。

「真剣にお付き合いしています」

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