いい加減な恋のススメ
「いーちゃん!」
後ろからぎゅっと抱き締められ誰かと思ったら川西先生だ。
どうしたんですか?、と慌てて聞き返せば、
「今ね、文化祭の露店の試食会やってるんだけどいーちゃんも来てよ!」
「そうなんですか、でも私今」
「そんなの後でいいじゃん!」
来て来て、と半ば強引に職員室から連れ出された私は彼女と共に調理室へと向かう。
まぁちょっと行き詰まっていたし息抜きってことにしよう。
調理室に着くとそこには小田切先生やリック先生までもいた。
「あれ、安藤先生も来たんですか」
「えぇ、ちょっと……川西先生に呼ばれて」
「あの人何でもありだな」
「……で、なんであの人はあんなにテンションが高いんですか」
私は視界の端で慌ただしく動くリック先生を指差した。興奮しすぎて日本語喋ってない。
「露店が楽しみなんですって。日本の夏祭りとか行ったことがないみたいで」
確かに文化祭の模擬店は夏祭りの露店みたいだよな。リック先生が盛り上がっちゃう理由も分かる。
ウチのクラスは模擬店しないから今日が試食会なんて知らないんだろうな。