いい加減な恋のススメ
と、
「お前って誰にでもそうなの?」
そうして発せられた言葉はその表情よりも厳しい声で、何でだか涙が出そうになる。
「その天然ボケ、直した方がいいぜ。俺そういうのだいっ嫌いだから」
「な、」
「ほんと、何こんな薄着で外ふらついてんの?そんなの男に襲われても男の方が可哀想だな」
何を、と問い掛けようとしたら直ぐ側でちゅっと甘い音が聞こえる。 至近距離で目があって、それから彼が1回瞬きをしたと同時に私の唇に力が入った。
気付いたらもう触れ合ってはいなかった。
「なん、で……」
「……」
何で、こんなことするんだろう。私を困らせたいだけなのかな。私が自分が原因で困っているのを見て楽しいって思うのかな。
いつも、いつもいつも、彼は自分の気持ちを言ってくれない。いつも。
私だけが、いつも気持ちをぶつけてた。
「お前の、その無防備さ、死ねって思ってんだけど」
幸澤先生は私の手を取るとそのまま引っ張って外へ出た。何も言わずにぐいぐいと私の体を引っ張るその姿は、やっぱりあの時と似ていた。
「どこ行くんですか!?もう私、」
「……簡単に抱かれるくせに口答えしてんじゃねぇよ」
「っ……」
止まれ、止まれ、止まって私の足。この人についていかないで、この人の言葉に従わないで。
早く、この人を、
―――「あー、ちょっと時間出来たんで顔見にこようかなって」
この人を嫌いになって。
「好きな人がいます!」