あなたの優しさが…2


『美咲は今でも指輪をはめています……自分では気がついていないでしょうが、指輪を触ってます……美咲は貴方がいない不安を貴方から貰った指輪を触ることで安心してるんです』


その指輪は、結婚指輪
美咲は何も持たないで出て行った
鞄も着物室に置きっぱなしだった


『高橋さん……頭をあげてください』
『美咲の事はわかりました…………美咲を、よろしくお願いします』


本当は今すぐにでも迎えに行きたい
けど、美咲の覚悟、美咲の性格を考えると美咲が自分で歩き出さないと意味がない事くらいわかっている


だから……
何年かかるかわからない
美咲の一歩を俺は待つ事にした
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