あなたの優しさが…2


『うちに来てから2ヶ月……ようやく少しずつ話すようになって、子供らに笑うようになりました。けど話してはくれません……あの子は昔から自分で何でも抱え込む癖があるんです』

『美咲は必ず桐生さんの所へ戻ります……どのくらいかかるかわかりません……もしかしたら数年かかるかもしれません……それでも待っていてほしいんです』


美咲の父親はまた頭を下げる


……
『なぜ……戻ると言い切れる?美咲は自分から出て行った。あんなに毛嫌いしていた父親を頼ってるんだ』


戻ってくる保証なんてどこにもない
最後に見た
美咲の泣き顔が頭から離れない


あの顔を思い出すと胸が痛む
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