あなたの優しさが…2
『申し訳ないんですが、捨てたんなら話しかけないでくれますか?そんな優しさ……必要ないですから』
『あなたや、美咲の母親が美咲に与えなかったモノ、これから一生かけて俺が与えて行きますんで……』
雅樹がお父さんの目を見て話す
お父さんは何も言えずにいた。
『あなた?どうしたの?』
お父さんの後ろの方から
赤ちゃんを抱えた女性が声をかけてきた
……お父さんの再婚相手
赤ちゃん……あの時お腹の中にいた…
『ん?まゆがぶつかってしまって』
そう話すお父さんは少し焦っている
あ………そうか、言ってないだ
その時……私のお腹に痛みが走る
「…っ、いた……っ」
『美咲?どうした?』
雅樹が心配そうに私を見つめる
大丈夫……
そう言いたいけど
うまく……声が出ない
『美咲?……大東!救急車だ』
だめ……救急車なん……て
私はそのまま気を失った。