不純愛

2013年、冬〜

セクキャバで働きはじめて二日目。
2人組できた男の片方についた。

「こんばんは〜。」
声をかけてソファに腰を掛ける。
「初めまして〜ゆみです。」
愛想笑いを浮かべて男の顔を見た。
たれ目で眉毛もたれ気味。
口はつむんだまま笑っていて
いかにも『良い人』といったような顔立ちだった。

私を見て目をそらしたので
「どうしたの?」ときくと
そのままの顔で
「可愛いから照れるよ。」
と言って斜め下を見てた。

面白いなぁこの人
なんでこんなとこきたんだろ。

ここはセクキャバ
ショータイムというものがあって、
そのタイムになると
私たち嬢はお客様の膝の上にまたがり
上半身を露出して触らせるというサービスがある。
キスも可。

だけどその人は
私に指一本触れることもなく
前半の20分、他愛もない話をしてるだけで終わった。

席を立とうとしたら、
隣にいたツレの男が、
「場内しないんですか?」とその人に話しかけた。
その人はニコニコしながら
うーん、と一瞬考えて
「…いる?」と聞いてきた。

場内ならポイントも入るし
なによりこの人は触ってこないし
変に口説いてきたりもしないから
一緒にいて楽だと思った私は
「うん♪」とこたえた。

< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop