あ い の う た <実話>
五人くらいが話し終わるのを待って、ようやくあたしの順番になった。
『お…お疲れさまです!!』
『お疲れ〜』
涼介さんはにこっと微笑んでくれた。
話したいことたくさんあったはずなのに、いざ話すことになると、何を話していいかわからなくなってしまう。
『あの…この前の下北のライブで初めて見てファンになりましたっ』
あたしが緊張しながらそう伝えると、
『知ってるよ〜お前俺の目の前で泣いてたろ?笑』
『え…見えてるんですか?』
『全然見えてるよ!ライブ初心者みたいだし、押し潰されて泣いてるからもう来ないだろうと思ってた、笑』
『違うんです!感動して…』
あたしが訂正すると、
涼介さんはすかさず言った。
『それも知ってる。笑 今日も泣いてたじゃんお前!』
本当によく見えてるんだ……
『また来いよ?』
涼介さんのその言葉に、
あたしは大きく頷いた。
『あのっサイン書いてもらえますか?』
『いくらでも♪』
涼介さんは手を出した。
あたしは急いで鞄を探って学校用のファイルをその手に渡した。
慣れた手つきで涼介さんの手が動く。
『名前は〜?』
『ゆなです!ひらがなで”ゆな”』
そのサインには、
『強くなれ!』
と、書かれていた。
みんなに書いているのかどうかはわからなかった。
でも、その言葉は弱々しいあたしにはあまりにもぴったりの言葉で、
あたしは学校にいる間そのファイルを肌身離さず持っているようになった。
『お…お疲れさまです!!』
『お疲れ〜』
涼介さんはにこっと微笑んでくれた。
話したいことたくさんあったはずなのに、いざ話すことになると、何を話していいかわからなくなってしまう。
『あの…この前の下北のライブで初めて見てファンになりましたっ』
あたしが緊張しながらそう伝えると、
『知ってるよ〜お前俺の目の前で泣いてたろ?笑』
『え…見えてるんですか?』
『全然見えてるよ!ライブ初心者みたいだし、押し潰されて泣いてるからもう来ないだろうと思ってた、笑』
『違うんです!感動して…』
あたしが訂正すると、
涼介さんはすかさず言った。
『それも知ってる。笑 今日も泣いてたじゃんお前!』
本当によく見えてるんだ……
『また来いよ?』
涼介さんのその言葉に、
あたしは大きく頷いた。
『あのっサイン書いてもらえますか?』
『いくらでも♪』
涼介さんは手を出した。
あたしは急いで鞄を探って学校用のファイルをその手に渡した。
慣れた手つきで涼介さんの手が動く。
『名前は〜?』
『ゆなです!ひらがなで”ゆな”』
そのサインには、
『強くなれ!』
と、書かれていた。
みんなに書いているのかどうかはわからなかった。
でも、その言葉は弱々しいあたしにはあまりにもぴったりの言葉で、
あたしは学校にいる間そのファイルを肌身離さず持っているようになった。