あ い の う た <実話>
ライブに通うようになって何回目かのこと。
あたしたちは久々に出待ちしていた。


麻美の家は今時珍しくかなり厳しい。


『外泊』なんて言ったらきっと勘当ものだろう。




前に一度、友達何人かと一緒に遊園地に遊びに行った帰り、人身事故の影響で帰れなくなったことがあった。


その時はかなり遠い場所だったにも関わらず、麻美の両親は真夜中に車を走らせ迎えに来たのだった。



本当はライブに行く事自体あまりよくは思ってないだろうが、
そこは麻美が押し切って一応納得してもらってるらしい。



『必ず帰る』ことを条件に。




そのためあたしたちは必ず『終電』で帰らなければならなかった。






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