この星に手が届くとき
入学式
中学校入学式当日。

昇降口の前でクラス表が配られる。
(私は何組だろう…)
仲良くなれる友達はいるだろうか。 
クラス表をみると、5組と大きく書いてある。
(5組…)
すると、隣にいた友達と同じクラスだった。
「やったねぇ!同じクラスだよぉ!」
と言う美沙。 
正直、私は彼女のことは余り好きじゃない。
なぜかと言うと、少し変わったところがある。
良い子を装っているというか、今時の言葉で言うと『ぶりっこ』だ。 
(最悪だな、楽しいクラスだと良いな…)
クラスに入ると同じ小学校の子が多々いる。
少し地味なクラスだなぁ。
まぁ、良い。しってる人がいるだけましだろう。 
私は美沙とは別の人と話をしていた。
「ヤッホー!同じクラスだね!これからもよろしくねぇ!」
とバレー部志望の子と話ていると隣から 
「ねぇ!私恵比寿中学の牧原真生っていうの!だから、真生ってよんでね!」 
うっとうしいのきたぁ!
体型は、ぽっちゃりしていてはっきり言うとブスだ。 
でも、まぁ適当に返事しとけばいいだろう。
そうおもい私は「よろしくねぇ。」
そういって真生から離れた。そして、自分のロッカーに向かう途中キラキラ光っている他とは違う男の子が目の前に立っていた。
カッコイい…いや、美しい。
名前はなんだろう?誕生日は?血液型は?
聞きたいことがありすぎてその子から目が離せない。
でも、そばにいるのは女子ばかり。
(まぁ、当たり前かぁ…)
周りの女子達はその男の子にたくさんの質問をしている。
「ねぇ、雅弘くん!うち、綾香っていうの!よろしくね!」
「部活は、どこに入りたいの?うちは、バスケ部志望だよ?一緒にどう?」
ききたい!私も混ぜて欲しい…
(雅弘くんって言うんだ…)
「俺は、サッカー部志望だよ?残念だけど俺はバスケ苦手なんだよぉ…ごめんなぁ」
初めての声。
もっと好きになってしまいそう。
私のことを見て。お願い。
(雅弘くん…雅弘くん、覚えたよ?だから、うちの名前も呼んでよ…)
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