自由を求めて
〜相馬Sido〜
栞里様の番号で知らない男の声がした。
男は言った。
『あんたんとこのお嬢様は預かった。まぁ悪いようにはしないけど、一応これはひ拉致だ、お嬢様になにかあっても俺達はなにもしない』
栞里様が拉致、ですか…
ハァ、まったくあの人は…
「そうですか、分かりました」
それだけ言って電話を切った。
「さて、龍也様にはなんて伝えればいいのか…」
考えながら長い廊下を歩く。
かつそれにしてもあの人は…だいたい今は学校のはず、どうして拉致なんかされるのか、困った人ですね」
大きなため息を吐いて思う。
しかし、栞里様が拉致されたのは今回で2回目。
昔、栞里様がまだ5歳の時に近くの公園で少し遊んでいて、目を離した隙に居なくなってしまった。
その時はすぐに見つけることが出来て命こそは助かった。
けれど、その時から龍也様の栞里様の周辺への警戒心が強くなったのは分かっている。
つまり、今回の拉致を龍也様が知ることになれば大変なことになるのは間違いなしだ。
「ハァ、…しょうがないですね」
私はあらかじめ栞里様の鞄に仕込んでおいたGPSで居場所を特定するとこにし、自室に向かった。