私と遊び人と。

『ガララララｯ』

「あ、透ちゃんに香純ちゃんに飛鳥ちゃん！どうしたの？」

するとドアが開いて、愛子先輩がいた。
愛子先輩とは、姫乃愛子先輩。himenoブランドという、若い子から淑女の方まで人気のある洋服ブランド店の社長の娘だ。
柊先輩の彼女で、校内１お似合いカップルと言われている人。
私たちをよく可愛がってくれて、この人が彼女じゃなかったら、まだ柊先輩への恋心は諦めれていなかったと思う。
それほど素敵な人だ。

「愛子先輩こそどうしたんですか？」

「んー？私はね、ちょっと頭が痛くなって頭痛薬飲んだら眠くなってベッドで寝てた。
三人こそどうしたの？」

「透が庇った腕に、凄い勢いのサッカーボールが当たってこのザマです。」

「…………へぇ。透ちゃんは誰を庇ったの？」

……愛子先輩、目、怖い…。

「あ、蓮見遊です。柊先輩の弟の…。
あ、それで保健の先生いますか？」

「あ、今職員室。遊くんは？」

「連れてた女の先輩と一緒にノロノロ歩いてもう見えてない、ですよ。」

「そっか…。ちょっと行ってくるね。
飛鳥ちゃん早く保健室の先生呼びに行って、香純ちゃんは透ちゃんと保健室入ってて。」

何故かその時の先輩の顔が、いつも可愛らしい顔から凛々しい顔になっていた。