【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
なんだかどうでも良くなって美樹の方を見てみれば、美樹もどうでも良さげに大小のチョークを集めてタワーを積み上げていた。


この男に変な洞察力があるなんて、一瞬でも考えた私が馬鹿だったと痛感する。この男に他人への関心なんて微塵も無い。


「じゃあ女子は御堂な!騒がしく頼むよ!」


「ハァ!?アタシかよ!……まぁ良いや。そろそろ決まんねーのダルくなって来たし何でも」


さっきの私との騒動なんて忘れたのか、それとも意図的に一緒にしたのか。


班の最後に指名されたのは、女子のリーダーの御堂里佳子。


「ってな訳でミッキー、班長俺の成ちゃん班、決まりね」


「へいへい、ホントに成は面白い事を考えるよなー。スゲー組み合わせ」


美樹は手元に出来た不安定なチョークのタワーの真ん中から、白いチョークを取り出す。


けれど、そのタワーは揺れながらも倒れない。不安定ながら互いが互いを支えて、形を保ち続けている。


その光景を、艶やかな瞳でルイが見ている。ルイは、それをどう捉えて、どう考えるのか。


そもそも、ルイに考えるという概念があるのかは謎だけど。
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