【完】R・U・I〜キミに、ひと雫を〜
「笑里ちゃんは、どう?」


全員が思った事を口にしたここで、燭が苦しいだろうに私に意見を急かす。


でも、どれだけ考えても、誰かの意見を聞いても、どうしたら良いか何て全く浮かばなくて、胸の奥と胃がしくしく痛むのみ。


「すみません。どうしたら良いのか私には分かりません。ルイを失いたくない。でもその方法で目を覚まさせるのが正しいとも思えない。そういう風にしか思えないのです」


「そう、だよなぁ……決断をすぐしてくれと言われたわけじゃないし、もっと考えて答えを出そう。俺達の納得の行く答えを」


ずっと迷っていた様子の成が、今度はしっかりと顔を上げ、私達に囁く。


正しい答えじゃなくて、納得の行く答えを。


そうしないと、きっと後悔するだろう。この先を生きて行く時間、胸の奥で後悔の枷が邪魔をし続ける事になる。


「言っとくけど、これはアタシら全員への罰だ。ルイの事、分かってるようで分かってやれなかった事へのな。だから一人で背負い込むみたいな顔すんな」


余程私は酷い顔をしていたのだろう。呆れたような顔と声で、里佳子が私の頬を抓りながらぶっきらぼうに言い放つ。


こんな時でも、人の優しさは心に温もりを与える。嬉しくなってしまう。私はもう、それを感じられない人間ではないのだから。
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