もう君がいない


「茉菜?」


しっかりしなきゃ。

これは、亜衣ちゃんへの償いだ。

私がこんなんだから、きっとバチが当たったんだよね。


もう一度、私は大きく息を吸った。


「蓮ってさ、いま好きな人いる?」

「はっ?」


勇気を振り絞って声にした。

突然こんなことを言われ、すごくびっくりした様子の蓮。

そうだよね、びっくりするよね。


「ごめんね、突然。なんとなくさ、蓮は好きな子とかいないのかな〜って思ってさ?」

「なんで?」

「いや、別に。なんとなくだよ!」

「急におかしいだろ。」

「そ、そうかな?」


あはは〜なんて冗談っぽくしてみたけど、そんなんじゃ騙されないって感じで、真面目な顔になった蓮。


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