もう君がいない


中学の入学式の日、、


中庭に張り出されていたクラス表を見ていた。

同じ学校だった友達と、一緒じゃんなんて言い合って、


そしたら急に、目に入ったんだ。


俺の視界に、、

俺の心に、、


一人の女の子が入ってきた。



背が小さめなその子は、周りの奴らをかきわけながら、必死に背伸びしてた。


危なっかしいな、、

そう思った途端、誰かに押されてしまったその子は、バランスを崩した。


俺は、気づいたら体が動いていて、、


気づいたら、その子の腕を引いていた。


その掴んだ腕の細さに、その白さに、

ドキッとしたのを今でもはっきりと覚えている。


シャンプーなのか、フワッと香る優しい香り、、

びっくりしたように俺を見上げる大きな目、、

風にそっとなびく、綺麗な長い髪、、


その瞬間、、



俺は恋に落ちたんだ。


初めてだった。


初恋なんだ、、。


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