もう君がいない


おばさんとおじさんは、蓮に、すぐに日本に帰ろうと言った。


日本に戻って、住み慣れた家に戻って、

少しでも穏やかに暮らした方が、身体にもいいのではと。



でも、蓮はすぐに返事をしなかった。


おばさん達にはなにも言わず、一人で迷っていたようだった。


蓮がしたいようにさせたい、

だからおばさん達は、何も言わずに、蓮が答えを出すのを静かに待った。



そして、春が訪れたころ、、


蓮の意思で、日本に戻ってきた。




日本に戻りたいと、おばさん達に伝えてきたとき、蓮は言ったそうだ。



”俺の病気のせいで、迷惑ばかりかけて、辛い思いをさせてごめん。”


”あと一年だけ、もう少しだけ、俺のわがままに付き合ってください。”


”残された時間は、やっぱり日本で過ごしたい。帰りたい。”



って、、。



そして、日本に帰ってからも、蓮の病気との闘いは続いていた。


何度も軽い発作を起こしたり、

ちょっと疲れがたまると体調が崩れたり、



そんな闘いを続けてきた結果、今日の発作が起きた。


今月で、、


告げられていた、一年になる、、。


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