もう君がいない


本当は、ゴールデンウイーク最終日、1日だけ光貴は部活が休みで、デートをする約束をしていた。

なのに、言えなかった。

気づけば嘘をついてしまっていた。


本当なにやってるんだろう、、

でも、蓮には言えなかった。


、、違う。

言いたくなかったんだ。



「部活忙しいんだな。強いの?サッカー部。」

「毎年、結構良いとこまでいくよ。」

「光貴も上手いんだろ?」

「うん。ずっとスタメンみたい。」

「へー、すげーじゃん。」


早く話題を変えたかった。

蓮と、光貴の話をしたくなかった。


どうしてこんな風に思っちゃうのかな。

光貴の話をしたくないなんて、そんな風に思ったことなかった。


光貴の話になって、みんなにうらやましがられるのが嬉しかったのに。

そんな光貴が、私の誇りだったのに。

光貴は、いつだって私の自慢の彼氏なのに。


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