もう君がいない
「ん?どうかした?」
クスクス笑う蓮を見ていたら、不思議そうな顔をする蓮。
「ううん、何でもないよ。」
「そう?」
「うん。」
ガヤガヤする親達とは違い、沈黙が流れる。
沈黙をやぶったのは蓮だった。
「何も予定なかったんだな。」
「え?」
「今日。予定なかったから来れたんだろ?」
「ああ、うん。ゴールデンウイークは、特に予定なかったんだよね。」
「遊んだりしないの?美雪ちゃんとか、光貴とかと。」
蓮の口から出た光貴の名前に、ちょっとビクッとしてしまう。
どうしちゃったんだろう、、
「美雪はバイト忙しいみたいだし、彼氏との予定もあって。光貴は毎日部活があるから。」
「そっか。」
「うん。」
私は、ちょっと嘘をついた。