相棒の世界
「ぎゃははははは!!!」
「っ!!」
ふと、また背後からゼイルの笑い声が聞こえてきた。
「傑作だなーおい!!
地獄に落ちろだと?
ふっ、笑えるじゃねーかぁぁ!!
ーーーだったらアルバート、お前が地獄に落とせよ。
今ここでーーー俺を地獄に落としてみろ」
俺は後ろを振り向いた。
ゼイルはクスクスと笑っている。
「………」
俺は鞘から剣を出すと、ゼイルに近づいていった。
すると突然、鷹目が俺の肩を押さえた。
「やめとけ、兎」
とてつもなく真剣な声で鷹目は言った。
鷹目は真剣になると、俺を『兎』と呼ぶ。
「大丈夫だ、殺す気などない」
俺は鷹目の手をどけると、ゼイルに近づいていった。
そしてーーー
ガシャンッ
ゼイルの目の前に剣を投げた。
「ーーーそいつで勝手に死ね。
俺はお前を殺す気になど一つもなれない。
すでに捕まった『死人』を殺しても、何も楽しくないからな」
「っ!!」
ゼイルは黙っていた。
クスリともしなかった。
「ーーーじゃあな、悪魔。
もう会うことはないだろう…」