【詩的小説短編集】=想い=
解楽

女は俺の腕の中でもう何度も大きく波うっていた。


甘い吐息が部屋中に広がり、今まで男臭さしかなかった俺の住みかはまるでどこかの異国にいるような感覚にさえなっていた。


女の細い腰がまるであつらえたように組んだ足の真ん中にはまり込んでいる。

それはまるで子コアラが母親にしがみつくような格好に似ていると心のどこかで思っていたのは俺がそれに集中していなかったからだろうか。


2人に会話など到底あるはずもなく、深みからこぼれ落ちないように必死でしがみつき、下から突き上げる熱い感触をひたすら楽しんでいるようだ。


時折漏れるその声は、集中できないにも関わらずここ暫くそういうことに縁遠かった俺の野性の力を存分に発揮するものに値した。


そもそも、髪の長いこの女がここにいるようになったきっかけはなんだったのか今となってはただ酒の勢いだったとしか言い様がない。


何度か強く突き上げたあと、女は今まで以上の甘い声を上げそのまま力尽きて肩にもたれ掛かった。



長い髪が俺の身体に纏わりつく。



それを指でかき上げながら女の顔を探りだし、深く深く口付けをした。


つい数時間前に会ったばかりなのに、その女を愛しく感じてしまうのは男に託された本能なのだろうか?


いや、本当にその女は美しかった。


声を掛けた時からそう思っていたが、身体を合わせた後も強くそう思う。


女は口付けを受けた後、よろよろと立ち上がり狭いバスルームに向かった。


その後ろ姿もまた美しい。


何かに誘われるかのように立ち上がり再び女を求め、後を追ってシャワーを浴びる背中に唇を押し当てた。

そして、女の甘い吐息は再び広がった。


解き放された快楽を得るために………



=fin=




※これって削除対象?ちょいとヤバい?



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