院内恋愛(旧:恋の階段*タイトル変更しました)
#2
梅雨に入り、雨が降ると肌寒い日が続いている。蒼介と付き合い始めて、2ヶ月が経った。

少しずつ、2人のペースが出来つつあった。会うのは、基本的に週一回の週末。とは言え、私の勤務は土日は関係なく、蒼介も土日のどちらかに勤務が入ることもあり、その合間をぬって、蒼介の家で会うのが定番。早々に渡された合い鍵は、私のキーホルダーで鈍い輝きを放っている。

そして、今日も土曜日の日勤を終えると、休みだった蒼介が迎えに来てくれた。
病院から、少し離れたコンビニの駐車場に、見慣れた車を見つけ早足になる。今のところ、病院の誰にも見つかっていない(私が話した同期と後輩以外)はず。

蒼介は車の中にいた。スマホを操作するために、軽くうつむいて、目元は見えない。助手席側の窓を軽く叩くと、一瞬驚いて振り向いた顔が、笑顔になって、ほっとした。

ガシャッとロックの外れる音の後、助手席に乗り込む。
「おつかれ。」

「おつかれさまです。お迎えありがとう。」

「何か食べて帰ろうか?」

「うん。」

「何が食べたい?」

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