魔法使いの一日

三.シスコンじゃない、兄妹愛だ



さてさて、とりあえずアルベルト君を説得する事に成功し話を聞こうと身構えているものの、アルベルト君はさっきからつーんとそっぽを向いたままで答えようとしない。


「あのー、いい加減話して頂けないでしょうか?」

「ふん、何で人間なんかに話さなきゃならないんだ」

「うん、次は四の字固めでもおみまいするか」

「ひっ!」


そう言いのけると、アルベルト君は短く悲鳴を上げ震え上がった。なんか地味に傷つくんだけど。


「さすが亜梨珠だな。同情するぞ、アル」

「それ褒めてるのソラ」

「だから気安く呼ぶなっていっただろ!!」

「あんたはちょっと黙りなさい!!」


まったく埒が明かないと、とりあえず抵抗できないように縄でぐるぐるに縛られ、地面に胡坐をかいて座っているアルベルト君の視線に合わせてしゃがみこむ。


「とりあえず、その人間って呼び方止めてくれる? 私はそんな名前じゃないし、名前だって知ってるよね?」

「ふん、どうせまた呼ばないと力ずくで無理やり言わせるんだろ」

「言わせないよ」


それにアルベルト君は驚いたのか、今までそっぽを向いていた顔をこちらに向けた。


「そんなことして言わせたって何の意味ないもん。だがら無理に呼ばなくていいし、ただ…人間じゃなくて、せめて苗字で呼んでくれないかな〜……なーんて」


アハハッ、と照れくさく笑う。何言ってんだろ、私。






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