甘いペットは男と化す
忘れかけていた記憶。
忘れたいと願ってしまった記憶。
相手を憎むくらいなら
いっそのこと俺の記憶から消し去って。
その願いは叶い、俺の頭の中から消えた一人の彼女。
だけどその記憶が、
まるで日記から注ぎ込まれるように一つずつ流れ込んでいく。
俺が愛したのは一人の女性。
初めて心から惹かれた本気の恋。
だけどそれは
俺たちには障害が多すぎて……。
《ごめん、景。
あたし、これ以上耐えられない。
別れよう》
彼女は、俺の前から消えた。