甘いペットは男と化す
 
「ありがとうございます。
 ご希望は日本人の先生でよろしいですね。 
 それでは、こちらにおかけになってお待ちくださいませ」


言われた通り、カウンター前の椅子に腰かけた。


そこまでは大きくないけど、明るくポップな感じ。
いくつかの小部屋があって、そこで個人レッスンを受けられるようだ。

授業も自分の好きな時間に予約を取り、毎週決まった時間とかない。
たとえば、仕事後に1時間…といったものでも大丈夫の教室だった。



「ミス 北島?」
「あ、はい!」


突然聞こえた頭上からの名前。

慌てて顔を上げると、そこには自分と同年齢くらいの女の人が立っていた。


「ごめんなさい、驚かせちゃったかしら。
 お待たせしました。担当の相内です」

「あ、よろしくお願いします!」


どうやら、相手は今日担当してくれる先生のようで、すぐにぺこりと頭を下げた。


ビックリした……。
教室の先生っていうものだから、もっと怖そうな人とか、年配の人かと思ってたけど……


「どうかしました?」
「いえっ……」


自分とたいして変わらない年齢と
何より、その綺麗な容姿に驚いていた。
 
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