甘いペットは男と化す
 
「えっと……一応、カタコト程度の英語は話せると……」
「はい。それを会話レベルにまでしたくて」
「OK。ではまず、これからしばらくは、私は英語で会話します。
 分からなかったら、聞き返してください。ゆっくりもう一度話します」
「はい!」

「Let's start!!」




それから、相内先生の授業が始まった。

最初に簡単な自己紹介的なものを、先生からの質問を交えながら受け答え。
分からないときは聞き直し、ゆっくりもう一度リピートしてくれる。
それでも分からないときは、ノートに書き写し、頭で文法を考えさせたり、分からない単語があった時は、手元にある辞書で調べた。


相内先生の発音は、日本人のあたしからしてみても、本場で聴いているような流暢な声で、ところどころ聞き取れないところもたくさんあった。
だけどそれが、外国人に似たところもあって、自分にとっていい勉強だと思った。



「OK!That's all for now.(いいわ。ここまでにしましょう。)」
「はぁー……」
「ふふ、疲れた?」
「ちょっと……」


ようやく、日本語を話していいと言われ、いっきに疲労感が……。

英語しか話せないとなると、思うように自分の意見も言えず、もどかしい気持ちになる。


「でも北島さん、すごく発音もいいわよ。
 理解も早いから、あとは慣れが大切って感じ」

「ほんとですか?それは嬉しいです」


褒めてもらえたことに、つい嬉しくてパッと顔を上げた。
 
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