婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
誰もいない待合室のソファーに芹香さんとふたりで腰をかけた。
「圭ちゃんね ここ最近ずっと具合悪そうだったの。圭ちゃん仕事できるでしょ…だから 結構やっかいなお客様を押し付けられて、無理難題に答えてたから…。ただでさえ 今日の準備で大変だったのに…。 それで、今日の新作発表会が終わった途端、会場で倒れちゃった。」
芹香さんは、そう言ってため息をついた。
「私 ずっと圭ちゃんの体が心配で、お弁当とか何度も作ったりしたんだけど、なつさんに気兼ねして受け取ってくれなかった…。それどころか、なつさんにいつも振り回わされてて見ていられなかった。」
責めるような強い口調に、私は何も言い返せない…。私は圭司に奥さんらしいこと何一つしてあげていない。圭司の体調のことだって全然気づけずに、ただ困らせるばっかりで…。
うつむく私を見て、芹香さんが言った。
「責めてるわけじゃないの…。ただ 私だったら圭ちゃんにこんな思いさせないって思っただけ…。」
私は、思わず顔を上げた。
芹香さんは、強い目で私を真っ直ぐに見ていた…。
「圭ちゃんと私が、昔 付き合っていたことは知ってるでしょ? この会社に入ったのは偶然だったけど、本社に移動願いを出したのは圭ちゃんのこと忘れられなかったから…。だって高校の同級生から圭ちゃんの奥さんが私にそっくりだって聞いてしまったんだもの…。」
芹香さんの言葉に胸が苦しくなった。
私は、手に力をいれてぎゅと握りしめた。
「なつさんには悪いと思ったけど、何度も圭ちゃに迫ったの。でも 圭ちゃんは私を一度も受け入れてはくれなかった。でもね なつさん 本当は圭ちゃん 私のことが好きなんだと思うの。だって さっき 何度も私の名前を呼んだんだから…。ねぇ お願い…私に圭ちゃんを返して…!」