穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
「もう少し待って。お酒飲まないと話せない」

ビールを飲み干し、梅酒のロックを注文した。

「ロック大丈夫?」

「飲まないとやってられない。そういえば、孝徳ってホントに住谷に入ってから彼女いないの?」

昼間から聞いてみたかったんだ。

「いないよ。それに遊んでないよ」

「加奈子も言ってたけど、意外だった」

「なんで?」

「なんとなく。今、彼女がいないのはこの間聞いたけど、なんか意外」

「俺も意外だったけど、恋をしない。って言ったのは・・・」

まだお酒が足らない。

まだ話できない。

「孝徳はどんな恋愛してきたの?」

「俺の話?」

「そう、私の話も聞くんだから、孝徳の話からして。初恋は麻里子だよね?」

「そう。それからって特に自分から積極的に声を掛けたりしてないかも?」

「勝手に寄ってきたと?」

「まっそうかな」

「なるほどねぇ~一番好きになった人は麻里子なの?」

「うーん・・・一番好きになった人・・・なんとも言えないな」

「えっ!?」

「麻里子は幼馴染だから一緒にいるのが当たり前で、大切だし幸せになってほしい。って思ってるんだ」

「自分で幸せにしたいと思ってたんでしょう?」

「高校生の時なんて、自分で幸せにって言ってもたかがしれてる」

「ねぇ・・・孝徳は今、好きな人いないの?彼女はいないって聞いたけど、それは聞いてなかった」

「好きな人・・・どうなんだろうなぁ、自分でもよくわからない」

梅酒のロックが進む。

孝徳はビールをおかわりしてた。

「割とお酒飲むの?」

「飲むよ。咲希が飲むなら俺も付き合う」

「ありがとう」

ジョッキとグラスを合わせる。
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