星月夜


「それより滝沢先輩の話しって何ですか?私疲れてるのでもう寝たいんですが」


「さっき、眠れないって言ってたのに?」


そう言えばさっき勢いで“眠るのが怖い”みたいな事口走ってしまったっけ…


良く人の話し聞いてるな、この人



黙り込んだ私に降参したようにため息を吐いた



「この間は……ごめんな。勢いって言うか、マジでヤるつもりじゃなかったんだけど……」


何だ、そんな事か…


「その事でしたら忘れて下さい。私もどうかしてたんです。安心して下さい。彼女にも誰にも言いませんから!」


「は?彼女?彼女は……」


「結婚前にちょっと火遊びしてみようかな、って思ったんです。だってこれから好きでもない人に抱かれる訳でしょ?だからどんな感じ…」



――――ガンッ!



予想以上に饒舌になる私の舌

滝沢先輩が口を挟む隙も与えず喋り続けた


けどそれを止めたのはやっぱり滝沢先輩で勢いよく床を殴りつけた



「ちょっ!下の人に迷惑……」


こんな夜に大きな音を立てて…


下の人がいつ怒鳴り込んで来るか気が気じゃない



あぁ!どうか留守であります様に!




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