星月夜



でも、何枚もページを捲ってく度にスピードが落ちて行った



――私、いつもこんな顔してたの?



そこに写ってた私はいつも不安そうな表情をしていた


瞬はいつも優しかったけど、


私はいつも瞬の視線の先にある美鈴先輩の陰に怯えていた



滝沢先輩は気付いてたの?



だからこんな写真が撮れたのかな



「……ふっ……ぅう~……」




なんだか胸が締め付けられるみたいに苦しくなって私は写真の中の瞬を抱き締めた








ねぇ、瞬。



私じゃ美鈴先輩の代わりにはなれなかった?



だからあの日、美鈴先輩の元に行ったんだよね?



――戻ってくる――



そんな約束、要らなかったよ




だって瞬、嘘つきだもん




戻ってなんて来なかったじゃない



美鈴先輩の所へ行ったきり二人で消えちゃったじゃない




 

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