星月夜

守るべきもの



「――――せ、おい!七瀬!」


「………んー?」



あれ…ここ……どこ?



重い瞼をこじ開けゆっくりと身体を起こす



「お前、いつからこんな所で寝てたんだよ…。風邪ひくぞ?」


私は声がする方をゆっくり見上げる



「あ…れ…、滝沢先輩?」



うわぁ!そうだ、滝沢先輩の家に居たんだった!



やだ!私寝てたの!?


いつから!?


って言うかファイル、抱き締めたままじゃん!




私は滝沢先輩が背を向けてる隙にさっと棚にファイルを戻した



「あ、あの!私帰りますね!」


一刻も早くこの部屋を出たい




ソファーに置いてある鞄を掴み滝沢先輩の横を通り過ぎようとすると



腕を掴まれ私の身体は後ろに倒れる



幸い後ろには滝沢先輩の身体があり私は胸に背中から飛び込む形になり倒れずにすんで良かった



って!全然良くないし!



何この態勢!



何で滝沢先輩に抱き締められてんの!?



滝沢先輩の左腕は私の身体に回されている



本当!あり得ないよ!!




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