いまさらベイビー
寂しい現実を思い出し、目を伏せたとき、空が光って雷が落ちた。かなり近い場所に落ちたらしく、地響きがすごい。

私は、お店の入り口近くに居たので、店内に避難した方がいいかなと思って後ずさりし、体をひねって回れ右をして一歩踏み出した。
すると、前から来た人とぶつかった。

こんなに近くに人が居たっけなって思いながら、見上げて顔を見るとあの店員さんだった。

「大丈夫?」

店員さんは、思っていた通りに人が良く、心配そうに私の顔を覗きこむ。

「えっと、大丈夫ですよ。雷は怖くないですから」

「そうじゃなくって、元気がなさそうだから」

予想外の答えに、思考が中断した。

「いつも、元気がなさそうで心配してたんだよ」

私は、自分が思っている以上に寂しいオーラ放ちまくっていたらしい。
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