一人称が私から俺に替わる時
─ガチャ


「!、一宮サン…!」

「ただいま花崗ちゃん。おバカなお姫様連れ戻したわよ」


「日咲!」


「花崗ちゃん……」

どうしてここに花崗ちゃんが居るのかとか、どうして私が危機だって分かったのか……




いろいろと聞きたいのに……



涙が止まりません


「花崗ちゃん、日咲ちゃんの服を隣から持ってきてもらえるかしら?」

「あ、うん!」



「さて、日咲ちゃんもう大丈夫だから」

「いや!離さないで下さい!」



我が儘って分かってます。

けど……震えが止まらない涙も止まらないんです…


「…はぁ、分かった?男は怖いコトをするって」

「は…い」

「ならば、宜しい。私も例外じゃないからね?」



へ?


「一宮さんは、女性でしょう…?」

「はい?!」

「へ…?」



お互い顔を見合わして……



頭上に?マークを浮かべまくりました。


「日咲、はい服ってあんたらどうしたの?」

丁度いいとこに!

「花崗ちゃん、一宮さんは女性ですよね?」



「……はぁ?あんな頭おかしくなった?一宮サンは男だよ?」

「……うそ?だって一人称も、話し方も女性ですよね?」


え?



どうして二人揃って盛大な溜め息なんですか?;;;


「日咲ちゃん」

「はい?」


─バサッ

え、

ぇぇぇ?!

「これでも女って言える?」


丸みがないとは思っていましたが……


まさか……本当に男性?!

「ちょ、一宮サン脱ぐとか日咲には刺激的だよ;;;」

「こうでもしないかぎり分からないでしょう?彼女」


「ま、まあね;;;;って日咲〜?放心状態から帰っておいで〜;;;」



はっ!


私ってば今意識がありませんでした?;;;



「ただいまです。ぇっと、男性だと分かりました。はい。」


私は………




これからどんな顔をして一宮さんに会えばいいんでしょう?;;;;
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