一人称が私から俺に替わる時

男なオネエ

「兎に角、今回のことでよーーーく分かったでしょう?」

一宮さんは私に人差し指をたてて顔を覗きこんだ。


綺麗ですよね……


睫長くて、肌が白くて、黒髪が肩ギリギリまで長くて身長も高いです。



「ちょっと聞いてるの?」

「うわ、はい!分かりました!」

「ならば、宜しい。じゃあ気を付けなさいよ?」

「はい」


あんなことがあってからでは何も言えませんね……


「さて、んじゃあたしは帰るからね!またね〜」

「あ、花崗ちゃんありがとうございました!」

─バタン
















き、気まず……;;;過ぎませんか?;;;

ソファーに座った一宮さんは何も話しませんし、私はどのタイミングで帰れば?;;;



「日咲ちゃん」

「は、はい?」


「私も男だけど、怖いかしら?」



は?;;;


いきなりどうしたんでしょう;;;


一宮さんが怖い……?


考えたことすらありませんでしたね…


「怖くありませんよ?」

「どうして?男に見えないから?」

「いいえ。一宮さんは私に危害を加える方じゃない事くらい分かりますよ」


にこりと微笑むと



微笑み返してくれました。


「男にされたコト嫌だった?」

「嫌でした…」

あれは味わったことがないくらい、


気持ち悪く…悪寒がして嫌でした……


「もし、今私が消毒という名で同じ事をするって言ったらどうする?」


「え?」


冗談かと思って一宮さんを見れば……




目が本気でした。
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