俺様生徒会長に鳴かされて。



「…よく、眠れたか」


「うん…。

彪斗くんこそ、ちゃんと寝た?

…なんだか、昨日より目の下のクマがこいよ…?」


「き、気のせいだ…」





優羽がこの館に住み始めて二、三日が経とうとしていた。



それと同じくして、俺は外を出歩くのをやめ、夜型生活を正すのに専念し始めた。



おかげでうまく寝付けなくて睡眠不足気味になっているが…

これも規則正しい生活を送って、出来るだけ普通に学校生活を送るようにするため―――。



優羽と少しでも多く一緒に過ごすため、だ。



優羽には、できるだけ多く俺のそばにいさせるようにしている。

朝は必ず一緒に登校して、授業以外の時間はクラスにのぞきに行って、帰る時に寄り道する時もつきっきりでいる。



おジャマ虫の寧音がついてくるのは腹が立つが、アイツも結構忙しい身なので、意外に優羽とすごす時間は多くてうれしい。



まわりの連中は『惣領彪斗がストーカーになった』ってアホみたいに騒いでいるが、知ったことじゃない。





優羽も今ではだいぶ俺に慣れて、笑顔で授業中のことや、自分のことをちょこちょこと話してくれる。



そんな可愛い笑顔を見ていると、「しあわせ、ってこういうことを言うんだろうな」としみじみ実感する。



けど、



付き合っているとは言える段階じゃないから、

『至福』とまではいたってないけどな…。
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