俺様生徒会長に鳴かされて。



「てゆーか、その女の子とはどういう関係?新人?それとも」


「ね、彪斗くん、その子なんて名前なの?曲出たら買うからー!!」


「ね、あなたもう一曲歌ってよ!ファンになっちゃった!」



「だから歌手じゃないんスけど…

ってダメだ、聞こえてない。

…やばいな」


「あ、彪斗くん…」



わたしは彪斗くんのシャツをくいくいと引っ張った。



「やっぱり彪斗くん、すごい人気なんだね…。

大丈夫…?

わたし離れたほうが…ヘンな噂になっちゃ」





「バッカかおまえ!」



ものすごい怒鳴り声に、わたしは一蹴された。



「俺じゃねぇ!

こいつら、おまえを見てんだよ!!」



くっそ、予想外だった…



なんて舌打ちすると、彪斗くんはわたしの手を引いて、無理矢理人混みをかき分けた。



「手、絶対離すなよ、優羽!」


「は、はい…!」




都会の満員電車を思い出すような人の群れにもみくちゃにされながら、

わたしと彪斗くんは、どうにかこうにかその場から逃げ出したのだった。





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