俺様生徒会長に鳴かされて。
「ところで」
そんな彪斗くんが、ちらっとわたしを見下ろした。
「今日の髪型だけど」
どき
「似合ってるな。
すげー新鮮」
「ほんと?ありがとう…!
昨日寧音ちゃんと買い物に行ってかわいいシュシュを見つけたから、さっそく使ってみたの」
今日のわたしは、巻いていつもよりフワフワにした髪に、編み込みを入れて肩でひとつにまとめている。
初めて挑戦したヘアスタイルだけど、褒めてもらえてうれしい…。
コンタクトにしてから、わたしはいろんなヘアスタイルに挑戦していた。
その度に、彪斗くんが褒めてくれたりアドバイスしてくれる。
たいていはダメだしされることが多いんだけど、今日は合格。
うれしいな。
「…ひやっ」
ってしみじみしてたら、すーぅと首筋がなでられて飛び上がった。
「…もう、びっくりさせないで…!」
彪斗くんは、ニッって笑った。
「首、苦手?」
「う、うん…」
「ふぅん。
じゃ、これも?」
「…っきゃ」
ふぅ、と息を吹きかけられて、肩をそびやかす。
「もう…!
そやってすぐイタズラするのやめてよね…!」
「したくなるからしょうがねぇだろ。
そうさせるおまえが、悪い」
「もうっ…!」
知らないっ!
と、スタスタ先に行こうとしたけれど、
「てか、ちょーっと待て、優羽」
ぐいぃーと握った手を引っ張られて、わたしは巻き戻しみたいな動きになる。
「今日の『報告』、まだだけど?」
「え…。
きょ、今日は特には」
「嘘つけ。
ちゃんと隠さずに報告しろって命令したろ」
「……」
「…今日は、何人だ」