俺様生徒会長に鳴かされて。
「…ひ、一人です」


「はぁ?」



ギラリと怖い目が光った。



「昨日は五人だったのに、今日は一人?

嘘つけ。

メアド聞かれるのも数に入れろって言ったろ。

何人だ」


「四人…です」


「…ほんとだな」



こくり、とうなづいて、わたしは彪斗くんにすがった。



「冗談で言ってきただけだよ?

だって、その人今すっごく綺麗な彼女いるってこの前ネットで…」


「芸能人は二股三股は当たり前。

一般人の目線でヤローの言葉信じると痛い目に遭うぞ」


「……」



それって…

…彪斗くんもそうなの?



って聞きたかったけど、



そしたらまた胸が苦しくなるようなこと言われたり…されそうになると思ったから…やめた…。





わたしが外見を変えてからというもの、

彪斗くんは毎日こうやって『報告』を強制する…。



わたしにメアド聞いてきたり、食事を誘いかけたり…告白してきた男のコが何人いたか?って。



最初命じられた時、「そんな人いるわけないよ!」って呆れちゃったけど…。

実際、毎日のようにいるから、びっくりしてしまう…。



声をかけられるたび、わたしはきちんと彪斗くんに言われた通りの「お断りのセリフ」を言う。



そうやってちゃんと命令を聞いて、きちんと報告までしているのに、

したらしたで不機嫌になるし、報告を忘れたふりしたら怒るし…

彪斗くんは本当にワガママな王様だ。





ぶぶぶぶ





そんな王様のバイブがなった。





「もしもし。

あー社長っすか。おひさしぶりでーす」



ため息まじりに応じるものの、すぐに切れる相手ではなかったみたいで、

彪斗くんはわたしから離れて人のいない空き教室に入ると、会話を始めた。
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